「電子書籍を読みやすくするためにどうしたらよいの」
「校正をお願いしたいけど校閲とどう違うの」
「プロにお願いするのと自分の校正とどんな違いがあるの」
電子書籍を読みやすくする大切な工程である、校正。
何をしたらよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
校正や校閲は電子書籍を完読していただきやすくするために非常に重要なことです。
この記事でご紹介するセルフ校正方法を実践すれば、読みやすい文章にできます。
わたしもいつも実践しており、ありがたいことに「読みやすい文章」とお言葉をいただきました!
本記事では電子書籍出版し、ベストセラー1位を獲得したやまね(@yamanebass)が以下のようなことをご説明します。
- 校正と校閲の違い
- セルフ校正の流れ
- プロにお願いするメリット
文章の読みやすさは読者の満足感にも関わります。じっくり読み込んでくださいね。
校正とは日本語の間違いを探す作業。校閲とは情報の正誤を確かめる作業
ざっくりいうと、校正は文章の体裁をチェックし、校閲は文章の内容・事実関係をチェックすることです。
ここでは、校正・校閲それぞれの内容についてもうすこし掘り下げてみます。
校正とは日本語の間違いがないかを確かめる作業
広辞苑によると、校正は以下のように紹介されています。
①文字の誤りをくらべ正すこと。
②校正刷を原稿と引き合わせて、文字の誤りや不備を調べ正すこと。
出典:新村 出(2018)『広辞苑 第七版』岩波書店
例えば、以下のようなことをおこないます。
- 誤字・脱字はないか
- 文法上の誤りはないか
- 差別・不快表現はないか
書かれている文章が日本語として間違っていないかを探る作業が「校正」であるといえます。
校閲とは内容の間違いがないかを確かめる作業
同じく広辞苑に「校閲」は以下のように記載されています。
しらべ見ること。文書・原稿などに目をとおして正誤・適否を確かめること。
出典:新村 出(2018)『広辞苑 第七版』岩波書店
校正以外におこなう作業の例をあげます。
- 文章の内容の事実確認
- 文章の矛盾点を見つける
- 数値の確認
まとめると、文章の内容が誤っていないかを調べるのが校閲の仕事です。
校正・校閲が必要な理由3つ
「校正や校閲のことはわかったけど、なんのために必要なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ここからは校正や校閲が必要な理由を書きます。
校正・校閲すると、どのようなことを防げるのでしょうか。
【理由1】読者の信頼を失わないで済む
世の中には、情報の信憑性が疑われるようなサイトもあるのが真実。
そのようなサイトを参考にしてしまうと、嘘の情報を読者に伝えかねません。
校閲では情報に誤りがないか確認の目が入ります。
情報発信の前のいちストッパーにもなってくれるんだね!
「このようなことが書かれていて、信じていたのに嘘だったんだ!」と読者に失望されてしまうのを防げるといえます。
【理由2】読者が不快な思いをせずに済む
差別的な表現があったり、決めつけなようなものがあったりすると文章を読んでいて心地よさがなくなってしまうでしょう。
校正・校閲をしっかりと学ぶことで読者が不快に思うような文章表現を学び、避けられるようになります。
読んでいて不快な文章は読み進めたくなくなるもんね!
自分の伝えたいことに関して、なるべく障害をなくして自分の届けたいことを届けやすくなるのだといえます。
【理由3】読みづらく、読了率が下がるのを防げる
主語と述語がいまいちマッチしていなかったり、文法が誤っている文章は理解されづらく、非常にわかりづらいものです。
一方で、それらが解消されている文章は読みやすくなります。
例えば以下のような文章は主語と述語がねじれている文章です。
わたしの趣味は楽器を弾きます。
主語が「わたしの趣味」なので、わたしの趣味が弾くというのはおかしいですよね。
これを直すと以下のようになります。
わたしの趣味が楽器を弾くことです。
話を理解しやすくなったね!
言葉の使い方を正しく、主語と述語をきちんとペアにすることですらすら読める文章になります。
本当に伝えたいことを読者に受け取ってもらいやすくなるといえます♪
文章校正のやり方とは?わたしがした校正をご紹介
校正や校閲の重要さはわかったけれど、実際ライターはどのように文章をチェックするのか知りたい人もいるでしょう。
ここからは、わたしが普段おこなっている校正方法をご紹介します。
いちライターはどのように確認しているのでしょうか。
【方法1】Ennoにてチェックする
自分が作成した文章を一気に校正してくれるツールがあれば一字一句確認する必要もなく、時間短縮になりますよね。
Ennoは日本語の文章変換ミスや誤字脱字をチェックしてくれるツール。
作成した文章をコピー&ペーストすると、一度に以下のようなことを確認してくれます。
- 不要なスペースはないか
- 口語的な表現はないか
- 誤変換の多い漢字
書いた本人がチェックして気が付かないような間違いを指摘してくれるのがEnnoなのです。
【方法2】ねぎお社長共有のスプレッドシートにて確認する
Ennoにプラスして使っているのが、サクラサクマーケティング株式会社ねぎお社長がX(旧Twitter)で共有してくださったスプレッドシート。
表記揺れや冗長表現、トンマナと、チェックしてくれるところがたくさんあるので自分でも気付けなかったようなミスを発見できますよ。
わたしはたまに「インターネット」のことを「ネット」と記載してしまい、たまにツールに指摘されます……!
Ennoと同じくコピー&ペーストで使えるため、スピーディに広い表記揺れを拾えるありがたいツールです。
【方法3】紙に印刷して見る
パソコンの画面で見ていると、目がしょぼしょぼしてしまって誤字を見逃すこともあるでしょう。
リコー経済会社は、『「紙」に印刷すると間違いに気づく理由』の記事にて以下のように述べています。
パソコンで文字を見るときは全体を認識するモードになっているのに対し、紙で見るときにはひとつひとつ集中して見るモードに変わるのだ、と。
自分が書いた原稿を紙に印刷してみて、ペンを片手に少しずつチェックするのもおすすめです。
画面上では見つけられなかったようなところでミスを発見できますよ!
【番外編】文賢でチェックする
文賢は株式会社ウェブライダーが発表した文章作成のアドバイスツール。
ウェブライダーの代表、松尾 茂起さんは人気書籍『沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—』も書かれていますね!
わたしは執筆頻度がとても多いわけではないためいまのところ使用していないのですが、Webライター界隈でとても評判がよいのを目にします。
以下のことができます。
- 不明瞭な主従関係のチェック
- 間違った敬語・不快語の指摘
- 文章表現の関連言葉おすすめ機能
- ひらがなと漢字のバランス確認
- 気をつけるべき商標や固有名詞チェック
これらは多くの機能のうちのほんの一部ですが、他にもたくさんの機能があります。
詳しくは文賢(ブンケン)のサイトをご覧ください♪
ちなみに費用は以下のとおりです。
初期費用: 11,880円(税込)
月額費用:2,178円(税込)
執筆量が多い場合は検討したいところだね!
電子書籍の校正に必須の書籍トップ2をご紹介
ここからは、校正・校閲のためのおすすめの本をご紹介します。
自分自身でチェックするときはぜひ参考にしてみてください。
【校正のおすすめ本1】記者ハンドブック
『記者ハンドブック』は新聞記者やライターが正しい文章を書くために必携のものです。
漢字の正しい送り仮名や句読点の打ち方、間違いやすい固有名詞のような記載に迷ってしまうことを解消してくれる一冊。
「送り仮名をいつも迷ってしまう」「漢字の使い分けがわからなくなってしまった」そんなあなたは手元に置いておくことをおすすめします。
【校正のおすすめ本2】セルフパブリッシングのための校正術
校正の仕方や心がまえが紹介されているのが、『セルフパブリッシングのための校正術』です。
タイトルのとおり、自分で出版するために自分で校正するにはどのようにすればよいのかフォーカスされた内容。
電子書籍出版のための、欲しかった情報が満載です!
電子書籍の校正について最後はプロにお願いしました。よかったこととは
数万文字と長い文章を書く、電子書籍。自分で何十回と確認しましたが、より信頼性のある書籍にしたいとの思いから、プロにお願いしました。
プロにお願いするとこんなよいことがありました。
【感想1】文法のおかしなところを見つけてくれる
普段気をつけていることであっても、ふいに間違った文法を使ってしまうこともあるでしょう。
校正者さんへお願いすることで、文法のおかしなところと代替案を伝えていただけました!
文法的にも読みやすい文章は、内容に関する読者の理解を助けてくれるといえます。
【感想2】誤字脱字を教えてくれる
自分が何度も見直してもすべての誤字脱字に気がつくとは限りません。
自分で書いた文章は思い込みが入り、間違いに気付かない可能性があるからです。
校正者さんへお願いする細かく誤字脱字をチェックしてくださいます♪
誤字脱字をなくすことで、全体として信頼できる電子書籍に近づくのです。
【感想3】見た目のおかしいところを教えてくれる
原稿の見た目も重要な点です。
電子書籍のフォントがばらばらでぱっと見て違和感があるものは、読み飛ばすか閉じてそのまま開かなくなってしまうこともあるでしょう。
校正ではハイパーリンクがきちんと機能するか、フォントの大きさはおかしくないかといった観点でもチェックしていただけます。
「メラビアンの法則」でも、見た目から人が受ける印象は55パーセントと最も多いことが説かれています!
ぱっと開いたときに全体が整っていると、読者によい印象を与えられるね!
まとめ|読みづらい文章は信頼度を下げる。きちんと校正しよう
一生懸命書いた電子書籍の原稿。大変な思いをして書いたため、多くの人に見てもらいたいと思うはず。
文章がねじれていたり誤字脱字が多かったりするとそれだけで読むのをやめてしまう人もいるかもしれません。
最後までお読みいただけるようにしっかり校正することが大切です。
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