「電子書籍作成で使うらしいEPUB形式ってなに?」
「EPUB形式にはどんなメリットがあるの」
「PDFとはどう違うのか知りたい」
聞き慣れないEPUB形式の言葉にとっつきにくさを感じてしまうこともあるでしょう。
実は、EPUB形式は電子書籍にピッタリなファイル形式で、読者にとって有用性も高いもの。
しっかりと確認して作成すれば、中身が充実した一冊を作れます。
本記事では電子書籍出版し、ベストセラー1位を獲得したやまね(@yamanebass)がEPUBのメリットや実現できることをご説明します。
EPUB形式を使うとどのようなよいことがあるのでしょうか。
EPUBファイルとは電子書籍フォーマットのひとつ
EPUBとは、電子書籍のファイル形式のこと。
国際電子出版フォーラム(電子出版、電子書籍の国際的な標準化をおこなう団体)が普及しており、いま電子書籍出版で最も使われているファイル形式だといえます。
EPUB形式を閲覧するには専用のリーダーやアプリが必要です。例えば以下のようなものが利用できます。
- Amazon Kindle
- 楽天kobo(拡張子を.kepub.epubに変換する必要あり)
- iBooks(iPhone、iPadアプリ)
- Aldiko Book Reader(Android アプリ)
- Readium(Google Chrome拡張機能)
- EPUBREader(FireFox拡張機能)
- BiBi(Chrome / Safari等複数ブラウザ)
これらがあれば、EPUB化されたファイルを手軽に楽しめるのです!
電子書籍でサポートされている形式とは
電子書籍でサポートされている形式は以下のとおりです。
- Microsoft Word (DOC/DOCX)
- Kindle Create (KPF) 日本語の本はサポートされていません
- EPUB
- MOBI (固定レイアウトの電子書籍のみ)
- HTML (ZIP、HTM、または HTML)
- リッチ テキスト フォーマット (RTF)
- プレーン テキスト (TXT)
- Adobe PDF (PDF)
ファイル形式についてはKDPのヘルプでも紹介されています!
KDPのガイドラインでは、より詳細の書式設定する際はEPUB形式がおすすめされています。
文章メインの電子書籍はEPUB形式で作成するとよいでしょう。
EPUBの5つのメリットとは
「EPUBが良さそうなことはわかったけれど、もう少し具体的なメリットも知りたい」と思う方もいるでしょう。
ここからは、EPUB形式のメリットを5つご紹介します。
【メリット1】Amazon・楽天で出版できる
MMD研究所が(消費者動向を調査する機関)2018年8月におこなった調査によると、電子書籍の一作ずつの購入先プラットフォームの1位がKindle、2位が楽天Koboであることがわかっています。
EPUB形式は電子書籍を出版するにあたり、Amazon、楽天いずれにも対応しているファイル形式。
電子書籍の購入先で利用されているプラットフォームの上位二箇所で販売できるEPUB形式には大きな強みがあるといえます。
【メリット2】長期的にみても見続けられ、安心である
EPUB形式はHTMLをベースにしています。そのため、HTMLがなくならない限り読めなくなることがないものです。
現にHTMLの登場は1990年代初期ですが、当時のWebページはいまでも問題なく見られていますね!
長きにわたって作品を見続けられるのが、EPUB形式のメリットなのです。
【メリット3】動画や音声を入れられる
文章だけでは伝わりづらいことは世の中にはたくさんあるもの。
その点、EPUB形式は動画や音声を入れられます。
例えば以下のようなものを載せられるでしょう。
- 料理本を出すときには切り方の動画
- ヨガ本を出すときには実際のポーズを動画に撮ったもの
読んでくれている人の理解が進むね!
読者が内容について理解をより深められることも、メリットのひとつですよ。
【メリット4】縦書きに対応している
「紙の本のように電子書籍でも縦書きで表示したい」と、こだわりたくなることもあるでしょう。
2010年10月に発表されたファイル形式、EPUB3であればそれが可能です。
世界標準のファイル形式で縦書きがサポートされるのはITの歴史としても初めてのこと。ルビを打つことも可能です。
EPUBを使うことで、より紙の本のレイアウトに近づける選択もできるのだといえますね!
【メリット5】意図したデザインで出版できる
EPUBではデザインを設定するCSS(Webページのスタイルを指定するための言語)を使えます。
レイアウトは大きく分けてふたつあり、リフロー型(画面の大きさによって表示を調整する、拡大した場合でも劣化せずに解像度を調整するもの)とFIX型。
それぞれの違いをご説明します。
リフロー型
一般的に販売されている小説やビジネス書はリフロー型であるケースが多く見られます♪
リフロー型の電子書籍はテキストデータであるため、マーカーを引いたり補足説明したいところにリンクを貼ったりすることも可能です。
やまねの電子書籍もリフロー型です♪
リフロー型の場合、読者が手にした際にどのように表示させるのか細かくレイアウトを選べるのがメリットです。
固定(FIX)型
雑誌やコミックのイメージといったらわかりやすいかもしれませんね!
写真集や絵本といった画像が多いものはこちらに分類されます!
自分が見せたいイメージから型を選択できるのがEPUB形式のメリットのひとつなのです。
PDFとEPUBの違いは自動でレイアウトを調整してくれるか否か
EPUB形式を使用すると、端末によってレイアウトがかわるリフロー型が選べるのをご説明しました。
一方で、PDFは端末によってレイアウトが変わることがありません。
それぞれの違いは以下のとおりです。
紙に印刷する情報を想定したレイアウトを保ち、デジタルデータ化したもの。
端末の画面サイズによってサイズを調整する機能はありません。
画像やレイアウトを維持したいときに使えるため、それがメインのときはおすすめです。
固定のレイアウトなので、端末をかえたときは拡大・縮小する手間が生まれます。
使用する端末の画面サイズによってレイアウトが調節されます。
画面サイズを1ページとする文字数が自動的に選ばれるため、文章をメインの電子書籍を出版する際におすすめです。
端末を変えてもストレスなく文字が読めるEPUB形式の便利さがわかりますね!
「【完全無料!】Kindle Previewer 3でできることと使い方」の記事でレイアウトが変わる様子を動画で紹介していますのでよろしければ併せてご覧ください。
EPUB化する方法は
ここからは、EPUB化する2つの方法を簡単にお伝えします。
方法1.自分でおこなう
自分でEPUB化する際は、専用の変換サービスが必要です。
わたし自身は自分でおこなったことはないのですが、たくさんの方のサイトを見ていると、でんでんコンバーターがおすすめだとわかります。
でんでんコンバーターのサイトには、小説や技術書にはおすすめな一方、画像が中心の漫画や絵本は不向きと書かれています。
要するに、先ほどご紹介したFIX型の書籍を出版したい際には向かないということですね!
でんでんコンバーターで変換する際は以下のものを用意します。
- テキストファイル
- 挿入する画像(PNG、JPEG、GIF)
- CSSファイル(でんでんコンバーターサイト内にあり)
実際に扱うことがあれば情報追記していきますね!
方法2.プロにお願いする
原稿を書き終えて出版作業も終盤になると、KDPへの登録や表紙作成の依頼などおこなうことがたくさんあります。
EPUB化をプロにお願いするのもよいでしょう。
わたしはココナラで評価のよかった方にお願いしました♪
初めての電子書籍出版で右も左もわからなくいちいち手こずることが多かったため、EPUBをお願いできてとても助かったのを覚えています。
お願いするときはDOCXファイル(Word文書)と指示書をお渡ししましたよ!
まとめ|電子書籍出版の際はEPUB形式一択といっても過言ではありません
EPUBは電子書籍出版において一般的なファイル形式であることをご紹介しました。
縦書き対応や、動画の埋め込みといったようにEPUBファイルのメリットははかり知れません。
「原稿を書くだけでも精一杯だったのにまたひと山あるのか」と思う方もいるでしょう。
プロの方へお願いすることも視野に入れ、必死に書いた作品を世に出せるように準備してみてくださいね。
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